輸出繊維会館

nao道

2012年05月03日 10:41


村野藤吾が設計した輸出繊維会館のファサードは、黄褐色のイタリア産トラバーチンの壁面に整然と並ぶステンレスサッシのコーナー・アール、角を丸くした窓が印象的で、船をイメージしています。
外観のいかにも現代建築、モダニズム的な要素と内部のギャップはまさに村野建築の神髄と言って過言ではありません。



堂本印象による壁画は、海の中のイメージで構成されています。壁画は南側エントランスから入ったロビーと地下にいたるまで、3~4cm四方のガラス製のタイルが貼り込められていて、多彩な色がとてもカラフルです。同氏によるタペストリーは、地下のサロンの壁面に掛けられています。


西玄関にはユニークなドーム状のキャノピーが設けられています。

階段の手摺の曲線美、階段に至るフロアのまるで楽器のようなカーブは、まさに村野ならではのデザインです。


かつて船場と言えば、商都・大阪の中心地として栄えました。そして、その隆盛を支えていたのは、繊維を取扱う会社だったといっても過言ではないでしょう。
モダニズムの巨匠・村野村野藤吾が、今に息づく船場の実業家が集うに相応しい空間を創出しました。


ファサードの最大の特徴、窓と壁です。
地図は記事の最下部に貼っていますので見学の参考にして下さい。
僕もチョット夢中になりすぎですが、明日もまた村野藤吾の建築について書いてみます。



大阪市中央区備後町3-4-9
設計:村野藤吾/村野・森建築事務所
竣工:昭和35年(1960)
施工:戸田組
構造:SRC造、地上8階・地下3階・塔屋3階



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