都ホテル大阪
現在は、「シェラトン都ホテル大阪」が正式名称です。
村野藤吾が最晩年に設計した遺作のひとつ、また大阪・上本町に集中する村野作品のひとつとなっています。設計を終えて着工した年の1年7ヵ月後に世を去った村野は、最期の日まで事務所の担当者と打ち合わせをしていたといいます。
ファサードの特徴は、穏やかに波打つ大壁面ではないでしょうか。
エントランスへのアプローチには大きな波、曲線が描かれています。
エントランスです。
地下駅のための給排気の造形が凄いです。低層部を支える列柱のように見えるが、構造上、柱の機能はありません。
隣接する近鉄上本町ターミナルビルも彼の作品です。ターミナルビルとこのホテルは連結していて、その結合部のデザイン、設計が実は、いかにもどこかでかつてみた村野藤吾の作品を象徴するかのような、要約するかのようなものに仕上がっています。
大阪市天王寺区上本町6-1-55
設計:村野藤吾/村野・森建築事務所
竣工:昭和60年(1985)
施工:大林組・大日本土木・近鉄上本町JV
構造:RC造、地上21階・地下2階
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