上方落語協会会館
今年の3月、上方落語協会の本拠地となる上方落語協会会館が、天満天神繁昌亭(落語定席)に次いで大阪天満宮のすぐ近くに完成しました。
大阪出身の建築家、安藤忠雄が無償で設計を請け負ったこの作品は、打放しコンクリートのファサード上部に大きな三角窓と天窓を採用し、自然光を取り入れたデザインと入口の三角形がほぼ上下対称に配置されている点、そして上方落語の「上」の字を表すスリットに大きな特徴があります。
この会館は、協会の事務所の他に上方落語の資料室や落語家の稽古場などを備えています。
親交の深い桂三枝会長から依頼を受けた安藤忠雄は、「文化的に大きな意味を持つもの。お金を取ったのでは格好がつかない。」と設計料無料で快諾したと言います。
完成式で桂三枝会長は、「こんな素晴らしい大きなものができたのも先輩、師匠方のお陰です。」と述べ、設計した安藤は、「大阪を元気にしたいので、少しお手伝いができればと思いました。」と語っています。
東側(裏側)から撮影してみました。
ちなみに、土地代が5000万円で建物の総工費は7000万円ということでした。
前回は安藤忠雄の初期の名作「住吉の長屋」、今回は最新作の「上方落語協会会館」を見て頂きましたが、ドーでしょうか?
問答無用のコンクリート打ちっ放しは「世界のANDO」の代名詞です。
大阪市北区天満4-12-7
設計:安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所
竣工:平成24年(2012)
施工:まこと建設
構造:RC造、地上3階
上方落語協会会長の桂三枝は今年、六代目桂文枝を襲名します。今年は立派な会館が竣工し、また大名跡が継承されるという上方落語の長い歴史の中でもスゴイ一年になりそうですね。
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