堂島川と土佐堀川がひとつになり安治川と名を変えて大阪湾の一角に注ぎ込んでいく。
その川と川がまじわるところに3つの橋が架かっていた昭和橋と端建蔵橋 それに船津橋である。
「あそこや あの橋の下の…ほれ あの舟や」
目を凝らすと 湊橋の下に 確かに一艘の舟が繋がれている。
だが 信雄の目には それは橋げたに絡みついた汚物のようにも映った。
「あの舟や」
「…ふうん 舟に住んでんのん?」
「そや もっと上におったんやけど きのう あそこに 引っ越してきたんや」宮本輝 「泥の河」の一節より
僕も宮本輝の初期の頃の作品を数冊読みました。もちろん「川三部作」は全て読みました。「泥の河」と「道頓堀川」は大阪が舞台、「蛍川」は富山が舞台となっています。
上の画像は、石碑が南詰に建つ湊橋から舞台となった川とポンポン船を撮ったものです。
次回は、この湊橋について書いてみます。
まだまだ「中之島に架かる橋特集」は続きますよ。