2014年04月01日
文楽の太夫
今回は太夫について書いてみます。
太夫の語り
太夫は義太夫節によって浄瑠璃の世界を描き出し、伝えるのですが、場面の情景、登場人物全員の言葉など、全てを一人で語り分けます。その際、写実を基本にしながらも
、技巧的に老若男女の声をそれらしく聞かせるという単なる声色ではなく、豊かに喜怒哀楽をを語って、役の性格、人情など人間の本質を深く追求し、表現するのです。
床本
太夫が舞台(床)で使用する段ごとの本。1ページ五行で書かれています。原則としてその持ち場を語る太夫が自分で書くか、筆写の専門家が書きます。また師匠から弟子に受け継がれる場合もあります。太夫にとって最も大切なものです。
文楽入門/国立文楽劇場発行の小冊子より
義太夫節とは浄瑠璃の一種で、江戸時代に竹本義太夫が創めた語りで、「詞(ことば)」と「地合(じあい)」と「節(ふし)」とから成り立っています。「詞」は登場人物のセリフのように語る部分で、三味線は入りません。「地合」は三味線が入って独特の間と抑揚とで語られる部分。「節」は「地合」よりも音楽的な要素が強く、歌っているように聞こえる部分です。江戸時代の大阪言葉のアクセントやイントネーションを忠実に反映したいわゆる「関西なまり」で語られます。大阪で生まれ育ち、そして今なお大阪を本拠地とする「文楽」ならではの最も特徴的な一面です。
Posted by nao道 at 22:30│Comments(0)
│古今芸能・文学