2014年08月26日
「曽根崎心中」ゆかりの地

此世のなごり。夜もなごり。死ににゆく身をたとふれば
あだしが原の道の霜。一足づつに消えて行く。
夢の夢こそ哀れれなれ。
あれ数ふれば暁の。七つの時が六つ鳴りて、残る一つが今生の。鐘の響の聞きおさめ。
寂滅為楽と響くなり。
中略
苦しむ息も暁の、知死後につれて絶え果てたり。誰が告ぐるとは曽根崎の、森の下風音に聞え。
取伝へ貴賎群集の回向の種。
未来成仏疑ひなき恋の。手本となりにけり。
近松門左衛門作「曽根崎心中」より

以後当社が「お初天神」と通称されるに至る所以である。
近松の名文により、広く民衆の涙を誘うこの作品は、その後も幾度となく繰返し上演され、今日でも人々の回向が絶えず、恋の成就を願う若人が数多く参拝される。
この碑は、「曽根崎心中 お初 徳兵衛 ゆかりの地」として、恋に殉じた二人を哀れみ、有志により建立されしもの也。
-現地案内板より


